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魔法の教室

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【第七回】余事象を使った解き方【確率講座】

さて今回は余事象についてやりましょう。

 

余事象とは、

  • 少なくとも~
  • 一つ以上の~
  • ~ではない

などの言葉が問題文中に入っているときに使います。

 

さて、まず余事象とはどんな考え方なのか見ていきましょう。

 

例えば、さいころを振って1が出る確率と、2,3,4,5,6のどれかが出る確率を

足したら何になるでしょうか?

 

さいころは1,2,3,4,5,6のどれかが必ず出るので、足した確率は1です。

 

確率が1というのはそれが必ず起こるということです。

 

(1が出る確率)+(1以外が出る確率)=1

です。つまり、

1以外が出る確率=1-(1が出る確率)

 になりますよね?

ということは、1が出る確率は1/6ですから、

1以外が出る確率は1-1/6=5/6

とすぐに求まるわけです。

 

 

 ある試行に対して確率P、Qがあり、

P+Q=1

が成り立つとき、

PはQの余事象

QはPの余事象

といいます。

要するに足して1になる二つの確率は互いに互いの余事象といいます。

 

例えば、

さいころを振って奇数の目が出る確率と偶数の目が出る確率

あたり2本はずれ3本のくじを戻さずに2回引くとき、少なくとも1回は当たる確率と1回も当たらない確率

コインを3枚投げて、1個以上が表を向く確率と、すべて裏を向く確率

などがあります。

 

具体的に余事象を使った問題を解いてみましょう

 

さいころを二回振って少なくとも1回は1が出る確率を求めよ

 

このような問題では、求める確率の余事象が何かを考えます。

少なくとも1回は1が出る確率の余事象は、

1回も1が出ない確率

ですね。

そして、この二つの確率の中でどっちのほうが簡単に求めれるかを考えましょう。

この場合だと、1回も1が出ない確率のほうが簡単に求められますね。

 

1回も1が出ない確率は、5/6×5/6=25/36

 

よって、2回振って少なくとも1回は1が出る確率は、

1-25/36=11/36

です。

 

確認としてこれを余事象を使わずに解いてみると、

・1回目に1が出て、2回目は1以外が出るとき

・1回目に1以外が出て、2回目に1が出るとき

・1回目も2回目も1が出るとき

の3パターンあります。

 

・1回目に1が出て、2回目は1以外が出るとき

の確率は、

1/6×5/6=5/36

 

・1回目に1以外が出て、2回目に1が出るとき

の確率は、

5/6×1/6=5/36

 

・1回目も2回目も1が出るとき

の確率は、

1/6×1/6=1/36

 

よって、5/36+5/36+1/36=11/36となり、

余事象を使った時と同じ答えが求められました。

 

もちろんどちらのやり方でも正しい答えは得られるのですが、

余事象を使ったほうが簡単な計算で求められます。

 

 

補足

先ほどの問題で、余事象を使わない解き方で、

・1回目に1が出て、2回目は1以外が出るとき

・1回目に1以外が出て、2回目に1が出るとき

・1回目も2回目も1が出るとき

 

の3つに分けました。これを

 

・1回目に1が出るとき

・2回目に1が出るとき

・1回目も2回目も1が出るとき

 

としてはいけません。

 

なぜだかわかりますか?

この二つの違いを面積を使って考えてみましょう。

 

 

これが起こりうるすべての事象です。

・1回目に1が出て、2回目は1以外が出るとき

・1回目に1以外が出て、2回目に1が出るとき

1回目も2回目も1が出るとき

と色分けすると、

こうなります。

 

この図を見れば、この三つの面積を足せば求めたい確率が出るのは一目瞭然だと思います。

では次に、

 

・1回目に1が出るとき

・2回目に1が出るとき

・1回目も2回目も1が出るとき

 

これを考えます。

まず、

・1回目に1が出るとき

を赤で塗ると、

こうなります。

(1,1)も赤で塗られてしまいました。

 

また、

・2回目に1が出るとき

だけを黄色で塗ります。

 

またもや(1,1)が塗られてしまいました。

 

最後に

1回目も2回目も1が出るとき

は、(1,1)が塗られることは言うまでもないでしょう。

 

では(1,1)が3回も塗られてしまってますから、

この3つの面積を足してしますと(1,1)が2つ分多くなってしまいますよね?

なので正しい確率が得られません。

 

 

このように確率を場合分けして考えるときは、

同じ部分が重ならないように場合分けしなければいけません。

言い換えれば、

どの二つをとっても同時に起こることはあり得ないように場合分けします。

 

・1回目に1が出るとき

・2回目に1が出るとき

・1回目も2回目も1が出るとき

この分け方では、

・1回目に1が出る

・2回目に1が出る

というのが同時に起こる可能性があります。(1,1)の時です。

なのでこの分け方はだめです。

 

それにたいして 

・1回目に1が出て、2回目は1以外が出るとき

・1回目に1以外が出て、2回目に1が出るとき

・1回目も2回目も1が出るとき

この分け方ならどの二つをとっても同時に起こることはあり得ません。

 

このように同時に起こることがあり得ないような事象を

排反事象

と呼びます。

イメージは、面積で考えた時に重ならないような事象です。

 

確率の問題を場合分けして時際には、

排反事象というものを意識して解きましょう。